かるがも親子のイラスト

出産・入院


初めての出産は、未知の世界という感覚で、いろいろなことが不安になるものですが、私たち視覚障害者にとって、出産とともに不安なことは、入院生活です。

慣れない場所はとても気を遣い、精神的にも疲れてしまいます。


初めての出産

作成班 M.F


私は大学病院で出産しましたが、最初の出産のときは、夜中の入院となりました。
そのため、正面玄関から入ることができず困ってしまいました。
「緊急用のボタンで知らせるように」と言われていたのですが、見えない私にはそれを探すことも大変でした。

タクシードライバーの方に教えていただき、何とか警備の人を呼ぶことができてホッとしたものです。

私も夫も視覚障害者だったため、出産の際の院内移動は病院のスタッフさんたちに助けていただきました。

お産事態は目が見えていようといまいと条件は一緒。
それよりも、赤ちゃんが生まれてからの入院生活のほうが大変でした。
大部屋には大部屋のメリット・デメリットがありますし、個室なら個室のメリット・デメリットがあるのではないかと思いました。
私は両方経験しました。
大部屋はとにかく落ち着きません。
移動の際に「同室の人にぶつかるのではないか?」という不安が一番大きかったように思います。
また、晴眼者のママが自分よりもテキパキこなしているのを見て、見えない自分とを比較して悩むこともありました。
でも、やはり基本的には悩みも苦労も同じであり、「自分だけが大変なわけではないんだ!」という気持ちになることができるのも事実でした。
個室の場合は、自分と赤ちゃんだけなので、そういう意味では気楽に移動できます。
周りの視線などを気にせずおむつ交換や授乳ができて落ち着きます。
けれど、初めてのことだらけで心細いと思ったときに一人だと、少々不安になるものだなあと思います。
私はどちらも経験させてもらえてよかったと思っています。
どんなママも最初からママになるわけじゃない。
毎日を重ねて母親になっていくんだということを教えられた入院生活でした。


3人出産してみて感じたこと

作成班 H.O


 私は2005年3月・2007年11月・2011年10月の3回、長男と次男は当時住んでいた大阪の大学病院で、
3人目の長女は札幌の病院でそれぞれ出産しました。

 長男の出産時、結婚当初から利用していた「介護タクシー」で生まれる前夜21時ごろ病院へ到着。
その2日前から「おしるし(出血)」があり、念のため産科へ状況を連絡、「陣痛がきたらまた連絡ください」とのこと。

その夜、22時頃に「ギューッ!」と腰からおなか全体に痛みが走ったので「えぇー、もう出てくるのぉー?」と思ったのですが…
その後は何の音沙汰もなく‥朝までぐっすり眠ることができました。

出産前日、相変わらず出血はありましたが、少々量が増えたくらいで、陣痛らしき痛みもありませんでしたが、
夕方ごろから「これって陣痛なのかな・?」というような痛みがあり、産科に電話したところ‥
「その痛みが10分間隔くらいになったらまた電話してください」と。。。

とりあえず、夕食を食べて入浴して…と、「いつ入院してもいいように」準備して待つことに。

20時半過ぎに「これが陣痛なんだ!」とはっきり自覚し、産科へ事情を説明したところ、「入院の準備をしてきてください」とのお返事、
夫が介護タクシーのドライバーさんへ直接電話して21時前に向かえにきていただいて、21時半頃に病院へ到着。
(ドライバーさんからは「がんばってきてくださいね!」とエール(?)をいただきました…(^^ゞ)

診察後、「まだ子宮口が2cmで早いけど、入院してもらいますね」と医師から言われ、付き添ってきた夫と義父から荷物を受け取り陣痛室へ。
(次男の出産時には陣痛室と分娩室は同じでしたが、長男の出産時はまだ別々でした)

陣痛室には、ベッドが4〜5台ほどありましたが、私以外誰もおらず…
「誰か入ってくるかもしれないけどね‥」とは助産師さんに聞いてましたが、結局誰も入ってきませんでした・。

陣痛室に入れる親族は「2人まで」と決められていたので、私の両親が到着するまでは、夫と義父が付き添ってくれてました。
「こういうときって、男は何の役にも立たないんやなぁ・」と、夫はブツブツ言いつつも、腕時計を見て「陣痛間隔」を測ってくれていたようです。

助産師さんからは「うーーん・・まだまだ(子宮口が)開いてないから、夜中は(出産は)無理やねぇー」と言われていましたが…
日付が変わったころから徐々に陣痛間隔が短くなり、「ここは病院、どこで生まれても対処はできるわ!」と開き直り、その次の陣痛でいきんだところ…
後から思えば破水していたんだと分かるのですが、当時は何が出たのかが分からず…
付き添っていた実母に「なんか出た・」と伝え、助産師さんを呼びに行ってもらいました。

ところが…助産師さんも看護師さんも、当直医も、みーーんな「(私の)夜中の出産はないだろう」とたかをくくっていたせいか、
戻ってきた助産師さんは「何が出たのかな?ちょっと見てみるねぇ〜」と、すごーくのーーーんびりとされてました。。。(^^ゞ
…が…、《あっ!もう頭が出てる!!》と… (@@)

私には「もう赤ちゃんの頭が出てきてるから、このまま(ベッドに寝たまま)分娩室に行きますね!」と。。。

そこからは皆さんドタバタで…
点滴の針を刺したら逆血するわ、当直医を呼び出す内線番号は間違えるわ‥ベッドは斜めになるわで、てんやわんや状態に。。。

なんとか分娩台に上がり、すぐに痛みから解放されるのかと思ったら…
「今、ご主人呼んでくるから待っててね!」と‥{{(>_<)}}
夫は「立ち会い分娩」を希望していたので、そわそわしながら助産師さんに連れられて入ってきました。

なんだかんだ準備が終わり、2〜3回ほどいきんだら…
「頭出たよ〜」「力抜いてねぇ」「男の子ですよぉー♪」…
と、次々に声がかかり、「オギャー!」という産声と「おめでとう〜〜☆」の声を聞いた途端、
「あぁーー、痛いのが終わったぁ―」と、子どもが生まれた《感動》よりも《痛みが去った安堵感》のほうが強かったのを覚えています(爆)

でも、部屋に移動して私の隣に寝かせてもらったとき、
「生まれてきてくれてありがとね♪」と言いながらほっぺをツンツンしました(笑)

部屋は4人部屋で、私以外の3人は、全員2人目以降のベテランママさんだったので、授乳の後のゲップのさせ方とか、
着替えのさせ方とか、部屋の構造なんかを教えていただきました。

沐浴は、妊婦健診のときから「旦那さんに手伝ってもらったほうがいいよ」と助言されていたこともあり、夫が沐浴指導を受けました。

入院中、診察室や浴室、自室への移動にはそれぞれのドアの取っ手に小児科病棟で借りてきたかわいい人形をぶらさげていただいたので、
一人で動くことができたのですが‥これも、妊娠後期に病棟内を案内していただけたからでした。

長男の出産から約2年半後、同じ病院で次男を出産しましたが‥このときはかなりしんどかったですね・。

次男の陣痛は夜から始まったので、夫は立ち会い分娩を諦め、長男と自宅でお留守番。
私は、一人でヘルパーさんの車で連れて行っていただきました。
実際に生まれたのは明け方で、病院に到着してから約1時間後。

でも‥「生まれるよ!」って陣痛起こした本人が寝そうになったり(「赤ちゃん、寝ちゃいそうだから起こすね」と助産師さんに言われ、おなかに振動を与えて起こした)、
何を慌てたのか?産道で羊水を吐き出すのを忘れて生まれてきたり…
(おかげで生まれてから細いチューブで羊水を吸われてました…(-_-;))

あまりにも早く出てきたもんだから、私自身の出血がなかなか止まらず…>_<
産後約6時間弱、お手洗いに行く以外はずーーーっと分娩台の上にいる羽目になってしまい‥
朝食も分娩台の上で食べることになってしまいました‥(^^ゞ
(かなりお尻が痛かったです…(TT))

3人目の長女は、40歳での出産でした。
「3人目って、あわてんぼうさんだから予定日よりも10日くらい早く生まれるかもよ」
と、ヘルパーさんから聞いていたとおり、娘はちょうど10日早く生まれました。

陣痛が起こったのが生まれる当日の19時過ぎで、本格的に感覚が狭まってきたのは21時過ぎ。
契約していた事業所の責任者の方に電話したのですが…
出られなかったので、産科へ電話して、ヘルパーさんと連絡が付かないので、私一人でタクシーで行くということ、
目が見えないので、通用口までどなたかに迎えに来ていただきたいということを伝えて、一人で向かいました。

タクシーが病院の裏口に到着すると、助産師さんが待機してくださっていて、ドアのところまで迎えに来てくださり、
すぐにエレベーターで産科病棟へ向かいました。

内診したところ…「もう(子宮口が)全開だわぁ〜、タクシーで来て正解!」と言われ、そのまま分娩台へ上がることになりました。

が…3人の中で一番陣痛が痛かったぁーー!!>_<
(「それぞれの痛みの強さを覚えてるなんてすごい!!」と助産師さんから驚かれました…(^^ゞ)

あと、生まれ方が下手っぴでした。
「生まれ方が下手っぴ(下手くそ)」というのは、生まれた時間のことなんですよ(笑)

長男は深夜2時前、次男は明け方3時台と、2人とも深夜から明け方だったので、ほぼ1日ゆっくりできたのですが…
長女は‥深夜23時半過ぎに生まれたため、生後30分も経たないうちに「1日」カウントされてしまい‥
退院までの日数が1日短くなってしまいました…(TT)
(「産んだ日の翌日」から退院日が計算されるので、0時以降に生まれてきてくれたほうが、ママとしてはゆっくり休めるんですぅー (^O^))

入院中の移動も、
事前に「部屋の取っ手に目印になる人形やぬいぐるみを付けてほしい」
とお伝えしていたこと、
長男の時と同じように、事前に病棟内を案内していただいていたことで、快適に過ごすことができました☆

これまで3人出産してみて感じたことは…

「《誰一人として、同じ順序はたどらない》
ので、前回の記憶をあまり当てにできない…」

ということですね。

なんだかまとまりのない文章になってしまいましたが…長々と失礼いたしました〜m(__)m


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