かるがもパパの子育て
子どもを産むのはママですが、そのかわいい子どもを育てていくのは両親やその周囲の家族たちです。
今回は、「パパ」の目線で、かるがもパパさんたちに、普段お子さんと接しながら感じていることを書いていただきました。
パパとママとでは、お子さんに対する感じ方もちょっと違っているかもしれませんね!
みなさんも、子育てに対するパパたちの思いを読んでみてください。
● 五十歩百歩
栃木県 H.Sさん
私は20代の頃まで、「ずっと一人でいいや〜」と思っていました。
先天盲の私は、若い頃から優柔不断でその場しのぎ、キリギリスのような性格でした。
そんな私だったので、家族を守り、子どもを育て上げられるはずがないと思っていたのです。
30になった頃、ちょっとした出会いがあり、家族や子どもが欲しいと思うようになりました。
それから数年後、長いつきあいだった現在の妻(全盲)と結婚し、現在は二人の娘との4人暮らしです。
「子育ては眼が見えたって大変なのに、あなたたち大変でしょう?大丈夫?」、「よくやってるねぇ!感心するわ!」など、皆さんも1度や2度は、こんなこと言われたことがありますよね。
全くその通り!私たちが大変なのは、誰がみたって明らかです。
でも、晴眼者の夫婦だって、子育ては大変なはずです。
長女がよちよち歩きを始めた頃、こんなことがありました。
妻がコップを落として割ってしまったのです。
「長女が踏んだら大変だ!!」ましてきらきら光るかけらを「きれいだなぁ」などと拾って食べてしまったりしたら…。
慌てて私が長女を抱っこし、妻が慎重にかけらを拾い集めました。
それでも不安だったので、近所の方にお願いして床を点検してもらいました。
その結果、数個のかけらが新たに見つかりました。
「2・3日は気をつけた方がいいよ。私もしょっちゅう食器を割るんだけど、どんなに拾っても暫くはひやひやだよ。」と彼女は言いました。
晴眼者の子育てと、私たち全盲夫婦の子育ての違いは「食器のかけら数個ほどしかないんだ!!」と私はそのとき気づきました。
保育園の帰り道、二人の子どもを連れて、最新の注意を払いながら歩いている私たちの側を、数人の子どもたちが駈け抜けて行きます。
そのずっと後ろからお母さんたちが、世間話をしながらのんびりと歩いてきます。
子どもたちが角を曲がって見えなくなってしまったと想像されても、お母さんたちの足取りが早まる気配はありません。
こんなときの私たちとお母さんたち。
子どもに降りかかる危険の可能性にどれだけの差があるでしょうか?
子育てに限らず、晴眼者は完璧で我々はだめ!!なんてことは、決してないと思います。
まさに五十歩百歩。
むしろ我々は弱点を自覚しているので、そこに人的パワーや便利グッズ、時には子どもの眼まで借りて、生活していく工夫ができているのだと思います。
(かるがも新聞 2009年2月号より抜粋)
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