かるがも親子のイラスト

「子育て」を楽しもう!

神奈川県 F.Sさん


 私は、現在神奈川県に住んでいます。

幼い頃はまだ少し視力が残っていましたが、今では両目とも全く見えていません。
家族は、同じく視覚に障害を持つ夫と4人の子どもの6人です。
両親共にまだ健在ですが、実家がかなり遠いこともあり、私が実家に帰れるのは数年に1度くらいです。

とこんな話をすると、多くのみなさんが「あら、ベテランお母さんね」とか、「すごぉい!がんばってるねえ」と言ってくれたりするんですが、私は、少し前まで、そんな風に言われるのが何よりも苦手だったんです。
 一人とか二人のお子さんに愛情をたっぷり注いで大切に育てているお母さんたちと比べて、私の方ががんばってるなんてとても思えないし、長年子育てをしているからと言って、子育てテクがいっぱい身についたとも思えません。

 お料理は好きですが、恐ろしく手際の悪い私は、ずいぶん時間をかけても大したものが作れませんし、時々、家族も自分もびっくりの「何これ?!料理」を製作してしまいます。
学校などに提出する書類なども、うっかり見落として(正確には聞き落として?)先生やPTAの役員さんにしょっちゅうご迷惑をかけています。
自分の感情に左右されて、子どもをガミガミ怒鳴りつけることも日常茶飯事・・・。
どう見たって「良いお母さん」とは言えません。

 また、見えないために、母としてやってあげられることにも限度があり、子どもたちには我慢をさせてしまったり、寂しい思いをさせてしまうことも少なくありません。

 でも、みんなから「すごいね」と言われると、みんなが思ってるような「がんばってる良いお母さん」でいなくてはならない気がして、必死で背伸びをして、そんなお母さんを演じたこともありましたが、やはり、思ったようにはうまくいかなくて・・・。
いつも、そのギャップに苦しんでました。

 今考えれば、本当につまらない事で悩んでいたものだと思いますが、そのときは、本当に苦しかった!

でも、あるとき「どんなにがんばっても、私は他の人にはなれないんだ」ということにようやく気がついたんです。
どじで不器用で、本当になさけない私だけど、でもこれが私なんだ。
だったら私はこの私のままで楽しく生きていった方がいい!と思うことができたんです。
そうしたら、あら不思議!それまでは、子どもとの関わりについても、子ども自身についても、マイナスの面ばかりが気になって仕方がなかったんですが…なぜか、子どもの良い部分や、かわいい部分がドンドン見えてきたんです!!

 幸いなことに、ママはこんな「だめだめ」でも、子どもたちはそれぞれ自分の個性を生かしつつ、自分の夢に向かって、のびのびと楽しく、そして逞しく成長してくれています。
これも、事あるごとに私たちを支え、協力してくれた周囲の人達がいてくださったからこそだと思います。

 もし、私が本当に完璧なママで、何でも思い通りにこなしてしまう人だったら、もしかしたら、これほどまでに周囲の人たちの優しさを肌で感じ、心から感謝したり、幼い子どもを一人の人間として、こんなにも尊敬したり、頼りにしたりなんてできなかったかもしれません。

 そう思うと「だめだめママ」もまんざらじゃないかも?
最近我が家の子どもたちの口癖になりつつある「もうママったらぁ、まったくしょうがないなあ」と言う言葉を心地良いBGMのように聞きながら、そんなことを考えている私でした。

 子育ては、これが正解だということはありません。
子育てをしているパパとママ、そして子どもたちが、それぞれに「嬉しい♪」、「楽しい♪」と感じることができているのなら、きっと、それがそのお宅にとって最高の子育てなんだと思います。
そのためには、子育ての中心であるママが、できるだけ子育てを楽しめることが大事ではないかな?
ぜひみなさんも、あなただけの最高の「子育てライフ」を見つけてくださいね。

以上、「だめだめママからのメッセージ」でした。

(かるがも新聞 2009年6月号より抜粋)


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